初心者向けのテクニカル分析の解説記事の第9回目です。
今回の記事は「パラボリック」です。
この記事で連載は完結となります。
大相場で力を発揮するパラボリック
パラボリックとは?
パラボリックはトレンド系のテクニカル指標です。
作成者は「RSI」や「ピボット」を開発したアメリカのJ・W・ワイルダー氏。
SAR(ストップ アンド リバース)という数値を使用して、大相場(大きなトレンド)での売買ポイントを見るのに役立つ指標です。
主に「トレンドの転換点」を知らせる指標として使われています。
※パラボリックのことを「パラボリックSAR」と呼ぶこともあります。
パラボリックの活躍する相場
パラボリックは大きなトレンドを形成する相場の際に威力を発揮します。
「パラボリックSAR」の「SAR」は「ストップ&リバース」(停止して逆方向に)という意味を持ち、相場の世界では「ドテン」のことを指しますが、まさに「ドテン」で強さを見せるテクニカル指標です。
※「ドテン」をしない場合においても、トレンド転換の判断用にパラボリックを用いる場合もあります。
パラボリックSARの計算方法
計算は若干手間がかかります。
iトレFXではチャートに表示すれば自動で計算してくれますので詳しく知らずとも問題ありませんが、深く知りたい人は計算方法(計算の意味)を覚えておくのも良いでしょう。
「SAR=(EP-前日のSAR)×前日のSAR+AF」
EP(Extreme Point)=極大値のこと。上昇相場なら一定期間の最高値を用います(同じポジションを持ち続ける場合は最高値更新と共にEPも更新)。
※下げ相場ならば一定期間の最安値を用い、更新されればEPも更新されます。
AF(Acceleration Factor)=加速因数のこと。初期値は0.02でEPが更新される毎に0.005ずつ加算されます(ただしAFの最大値は0.2)。
パラボリックの見方
相場の状況判断をするにはパラボリックに対するローソク足の位置を見ます。
・ローソク足がパラボリックの上に位置する場合は「上げ相場(上昇トレンド)」。
・ローソク足がパラボリックの下に位置する場合は「下げ相場(下降トレンド)」。
パラボリックの見方
パラボリックに対するローソク足の動きにより売買サインを捉えます。
※感覚的には移動平均線の「ゴールデンクロス・デッドクロス」のイメージです。
・上昇相場でローソク足がパラボリックを下抜けしたら「売りサイン」。
・下降相場でローソク足がパラボリックを上抜けしたら「買いサイン」。
パラボリックの注意点
大きなトレンドを形成している際には非常に有効なパラボリックですが、トレンドが無い相場(ボックス相場や明確な方向性が見えない相場)の場合は、ダマシのシグナル(サインの遅れ、頻繁なシグナル出現)が発生しますので使えません。
そのような相場だと判断したらパラボリックを使わないで、ボックス相場に強みのある「オシレータ―系テクニカル指標」を使うようにしましょう。
iトレFXでのパラボリックの活用法
iトレFXのチャートにもパラボリックの表示機能が備わっています。
まずチャートを表示して、下記のテクニカル指標ボタンをタップして下さい。次に「パラボリックSAR」をタップします。
最後に
今回の記事で初心者向けのテクニカル分析コンテンツの連載は終了となります。
様々なテクニカル指標を組み合わせて是非取引に活用してみて下さい。
基礎的なテクニカル指標を理解して根拠のあるトレードをしていると勝率もきっと上がると思います。
コメント
コメントはありません。